昨日は暑い一日でした。
私は、友人と京都の奥まで行ってきました。
田んぼのど真ん中のかやぶき屋根のホールまでピアノを聴きに行ってきました。
都会の喧騒を離れたどこまでもどこまでも続くのどかな風景。どの場所を切り取っても絵葉書のようです。
風景だけでも贅沢なのに、極上のピアノデュオを聞きました。ひんやりした木の板の床に楽に座って、見つめるグランドピアノの先は緑豊かな竹林、見上げる天井はどこまでもどこまでも高くて…。ピアノの音の合間に聞こえてくるのは、鳥のさえずりと田んぼにかくれんぼしているカエルの合唱。カエルもピアノに聞き入っているのか、演奏の邪魔はしません。
休憩時間には、奏者の奥さま手作りのバウンドケーキと美味しいハーブティー、そして、シャンパンのように軽やかな日本酒を少し…。ご主人の英語訛りの演奏曲や作曲者の解説も楽しくて。
あっという間にコンサートは終わってしまいました。
帰りのお土産は、ピアノデュオ奏者のご夫婦が作られたお米を使った塩おにぎり。本当においしかったです。
このコンサートを小学校からの友人に誘ってもらったのですが、彼女とお出かけするのもとても久しぶりのことでした。
お互い話し出すと止まらないのは、何年前からも一緒。お互いのお母さんの質もよく似ていて、「厳しい母親よね!」っとお互い慰めあったりしていたかなぁ。
田舎の駅に降り立って、かやぶき屋根のホールまで行く地図をいただいたのですが、なにせ、何にも目印がありません。だからこの地図を頼りに現地までたどり着くのは至難の業でした。これは道?畔?うーん判断がつかない…。と、いう道のりです。
私たちの後ろから、同じ目的地に向かっている、私たちより少し年配の女性二人組がありました。私たちもわからない道のりなので、現地の田んぼにいる人とかに、「こっちであってますか?」とか道を確かめながら歩いているのですが、彼女は、道を聞いたら必ず、「こっちですよぉー」と、その二人組に合図をしたり、声をかけたりするのです。
全く知らない人だし、かなり距離を保ちながら歩いているので、わざわざそんなことをする必要は全くありません。「この子のこういうところが昔から魅力的なんよなぁ…。」と、うっかり惚れてしまうところでした。
美しい人というのは、美しい行いをする人のこと、と、聞いたことがあります。
自然を愛でて、その恩恵に感謝をし従事する奏者のピアノが美しくないわけがありません。
少し前、有名なピアニストの演奏を大きなホールに聴きに行ったことがあります。確かに繊細な音楽でしたが、何ともピリピリした会場の雰囲気に息がつまりそうでした。私も不注意だったのですが、少し紙の擦れる音を立ててしまって、ものすごく注意を受けてしまいました。
いい音楽には触れましたが、癒されたか?と聞かれたら違うかもしれません。相当疲れましたから。
たぶんこの音楽家のご夫婦がこの辺鄙な田舎でのコンサートをされるのは、そういうところからではないでしょうか。
コンサート後、サイン会をしてくださったのですが、演奏しているときの顔も素敵でしたが、演奏を聴きに来られたご近所の方に気さくに話しておられるときのお顔を方が本当に素敵でした。
スローライフに触れる時間でした。私も美しい人にならないと…。
愛と感謝を込めて…
安希