鍵穴

こんにちわ。
先週のことです。
末息子のSくん。いつも、お家の方向が同じお友達と何人かで一緒に帰ってくるそうです。この日もいつもと同じように帰ってきていました。すると、ある女の子がお家の前で、「鍵がない…」と、家に入ることができず困っていたそうです。クラスメイトのお友達を助けてあげるにはどうしたらいいか。Sくんは、鍵を開けてあげようと思い、鍵穴に合いそうな小枝を入れてみて開ける努力をしたのです。
でも、開けることができません。
結局、断念して、女の子はご近所のお友達と遊びながらお母さんを待ち、Sくんは家に帰って来ました。
翌日の夜、女の子とお母さんが我が家に来られました。
「Sくんが親切で開けてくれようとしてくれたようですが、鍵が回らなくなって閉めることができなくなりました。」とのこと。
二つ鍵のある玄関ドアの上が回らなくて、下は大丈夫。今は下の鍵だけ施錠していますとのことだったので、その場でインターネットで鍵屋さんを検索し、すぐ来ていただいて直してもらいました。料金は2万円。お支払させていただきました。
Sくんには、お友達のお家の大事な鍵を壊してしまったんだよ!!と、叱りました。そのお家の方がいる手前、親切できたのねとも言えませんし。
でも、Sくんが鍵穴に入れたのは小枝。鍵穴から出てきたのはプラスチック片。
話を聞いてみると、女の子が困っていたので、Sくんは小枝、一緒にいた男の子はプラスチックを入れて開けてあげようをしたそうです。
お金の問題ではありませんが、このことを連絡帳に書いて学校に相談しました。
すぐ担任の先生と教頭先生からお電話を頂き、まず子ども達に聞き取り調査をさせてください。それから、保護者の方と共通理解をしていただきたいと思います。お金に関しては、こうしたらいいのと違うかな?と言う思いはありますが、学校側からは言えません。とのこと。
一日待って、聞き取り調査なるものをしていただきました。
すると。
お家の女の子と、一緒に帰ってきた男の子と、Sくんの3人で、いろいろ入れてみて開ける努力をしたそうです。
定規、下敷きの角、小枝、ガラス片、プラスチック…。
女の子がいわく、「Sくんが一番がんばって色々試してみてくれてん。」と。
で、
その話を保護者共々一緒に聞き、さて、どうするかとなった時に、「Sくんのところだけに出していただくわけにはいきません。」と男の子のお母さんが言ってくださり、「Sくんの名前しか聞いていなかったのでSくんのお家に相談に行きましたが、うちの子もしていたのですよね。」と、女の子のお母さんも言ってくださり、2万円は3等分することができました。
先生は、「怒ってるんじゃないよ。困っているお友達を助けてあげようとしてくれたのはいいことだよ。だけど、まだみんなに解決できないこともたくさんあるから、大人の人に相談するのがよかったかな。今回のことはいいお勉強になったのと、こんなに上手にお母さん達が解決してくれたことに感謝しないといけないよ。お母さんにありがとうって言ってね。」と子ども達に話してくれました。
本当に。
子どもも保護者も学校の居心地が悪くなっても仕方がない事例。何とか穏便に解決できてホッとしました。金額も目をつぶるには大きかったですし。Sくんだけの責任にしては重たいのではないかと思っていましたし。
先生の言葉の配慮があったのだと感謝しています。
また、どんな保護者の方々なのか知らないだけに不安でしたが、お話させていただける方々だったのもラッキーだったのだと思います。
ちなみに、友人弁護士にこのことを話したら、鍵をなくしたという時点で、監理不足ということで鍵の持ち主の責任になるそうです。これが、いたずらで鍵を壊したことであれば別ですが、小学1年生が知恵を絞って親切を考えた結果なので、プラスチック片の犯人探しをするのも意味がない。でも、状況から考えて、3等分が妥当かな。と。
なるほど。
勉強になりました。
鍵は鍵でしか開かないこと。しっかり学んでくれたらと思います。
余談ですが、
丁度、国語の時間にことわざを習っている子ども達。
女の子が「先生、今日、3人寄れば文殊の知恵って習ったけど、今回はアカンかったなぁ。」と。
先生も「ほんまやな。注意書きがいるね。」と、笑っていました。
この子、賢いなぁ。Sくん、習ったのわすれてたんちゃうかな…。
愛と感謝を込めて…
安希

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